闘争少女【前編】完
あれから学校に着き教室に向かうと
さっきの事が何事もなかったかのように
リノも買い出し班の子達も
何もイスズには話しかけてこなかった
そしてほぼ完成間近まできた内装と
みんなの寸法を測った衣装のパターン(型)を
引いて今日は終えた
「また明日〜」「ばいば〜い」
教室からどんどん生徒達が居なくなっていく
イスズはリノに言われた通り
屋上へ行こうと教室を出ようとした時だった
「イスズちゃ〜ん!」
『?』
「さっきのことなんだけど
リノちゃんと2人で大丈夫だった?!」
「なんかリノちゃんの知り合いとか
なんとか言ってて
私達先に行っててっていわれたから
あの後の事情知らなくて」
『( 知り合い?……ぁ、なるほど
だからあの場にみんなは居なかったのか )』
「リノちゃん、見た目結構イケイケぽいし
昔の中学の時の友達でもおかしくはなかったもんね!」
「「うんうん」」
他の2人も頷く……
『大丈夫…だよ
心配してくれてありがと、それじゃまたね』
それだけを言い残しイスズは教室を出た
急いで屋上へと向かう廊下を早歩きをする
最後の階段を登り屋上の扉を押し開く
ブオォォォォ__ン
生温い風がイスズの髪を揺らす
そして辺りを見渡すと
ちょうど真ん中のあたりに1人の後ろ姿が見えた
イスズはそこまで歩きだした