月の少女ルーナ
まっしろなへや


ルーナは、5000年、そこにいました。

人類が月で暮らし始めて6000年,経ちました。

(食事だ)


目の前にある壁の一部が凹み、そこにパンとミルクの入ったコップが置いてありました。

ルーナはゆっくり立ち上がると、壁にある簡素な食事の元まで歩き、パンを手に取り、もしゃもしゃ咀嚼しました。

ミルクもこくこく飲み、カップもトレーに戻すと、壁は壁と同じ色の板が下りてきて、食事が見えなくなりました。

ルーナは、ごろりと寝転がりました。

20年くらい、眠ってみたけど何も変わらない。

全てが機械のように淡々と行われ、プログラムされている。

ルーナは、ボンヤリそう思いました。

私は、誰だろう。

ルーナ。その名前しか知らない。

なぜ生きているんだろう。

いや、私は死んでいるのかも。

初めて、そう考えました。

すると、涙が溢れそうになりました。

「........」全てが真っ白で、何もない空虚な世界。

出たい。外に出たい。

その時

バーン!!

何かが、爆発する音が聞こえました。
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