月の少女ルーナ
泡の海の出会い

ルーナは、確かに、ヒコウセンから下りる人間を見ました。

そして、こちらにどんどん走ってきます。

ハクイの人たちは叫びながらまっしろの家に入っていきます。

その人は、もっこりとした宇宙服を着ていて、ぼよーんとこちらに飛び跳ねながら向かっています。

かぽん。

いきなり帽子が脱げ、その人の顔があらわになりました。

世にも美しい、青年。

ルーナを見ると、ホッとしたように服を脱ぎ捨てました。

「やぁ、君は月の人かい?」

「わからない。月って?」

「え........?じゃあここはどこだい?」

「わからない」

「........ここは泡の海だよね?」

「?」

「はぁ........まぁいいや、港に案内してくれ」

「なにそれ?」

沈黙が流れました。
その瞬間。
ヒュッ。どこからか一筋の光が弓のように飛んできて、青年の頬をかすめました。

ルーナが見ると、ハクイの人たちがジュウを持っていました。

「なっ........。まさかこんなことになるなんてね」

青年はつぶやくと、ルーナを抱き抱えました。

「どこいくの?」

「とりあえず追手をまきに、泡の海へ向かう。」
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