パラサイト・ラブ
コーヒーを煎れ、パンをトーストし、スクランブルエッグを手早く作る。私の朝はいつもこんなもの。
自分のついでに海里の分も作っておく。別に作ってやる義務は無いのだがいつもの癖である。
「じゃあね。行ってくるわ」
彼の肩に手をかけ言葉をかければ、ぬうっと腕が伸びてきて私の首を捉えると朝らしからぬディープキス。
ルージュが落ちると思いながらもそのキスに応えてやった。
「今から、する?」
「なわけないでしょ」
「だよね。いってらっしゃい」
ベッドから手を出し手をふる海里を横目に私は部屋を出た。