最後のコトバ



それでもきかないと感じた彼女たちは、ついに手を出してきた。

手だけではなく足も出して、殴る蹴るを繰り返すようになる。

そんなことをされても、あたしは表情を変えない。



「これで満足?」



一通り終わったあと、ゆっくりとそう言った。

そして、返事も待たずに立ち去った。


ただ、これが逆に彼女たちのプライドを刺激することとなった。

毎日の様に絶えないいじめ。

ガキかって思うけど、教科書への落書き、ビリビリに破かれたもの。

体育の時間には、わざと足を引っ掛けて転ばせたり、後ろからぶつかってきたり。


教師は何も気づいていなかったけど、生徒は当然知っていた。

だけど、誰も止めることはない。

それは、当たり前のことだった。

下手に手助けすれば、次は自分にくるのだから。

それが分かっているから、誰も口出しはせず見て見ぬ振り。




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