最後のコトバ



その姿を見て彼女たちは「ざまぁみろ」と笑っている。

そんなこと、気にしている余裕はなかった。



一体、なんなのだろう。

あたしが何をしたと言うの?

あたしは、誰にも迷惑をかけないように空気みたいに過ごしていたはずなのに。


気に入らないなら、話しかけなければいいのに。

あたしなんて、ほっておけばいいのに。



学校を出たあたしは、無我夢中で走っていた。

そして、気づけばいつものビルの屋上に来ていた。

ここしか居場所はなかった。

来れる場所はなかった。


いつも彼と他愛もない話しをして安心していた場所。

それももう、あたしにとっては必要のないものだ。

安心出来る場所なんて、どこにもなかったんだ。



あたしは、ゆっくり塀に乗り、一歩を踏み出す。



「もっと早く、こうしていれば良かった……」




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