最後のコトバ
隣の女性もニコニコ笑っている。
よく見ると、40代ぐらいの女性だった。
彼の母親だろうか。
だけど、あまり似ていないように見える。
「皐月さん、この子が梨華」
あたしの肩を抱くようにして、女性に紹介した。
皐月さんと呼ばれたその女性は、あたしに向かってニコリと笑い、よろしく、と言った。
様子から見て、母親とかではないらしい。
だけど、なぜここにいるのか分からないし、彼との関係も分からない。
「さぁ、帰ろうか。
もちろん、梨華ちゃんも一緒にね」
彼女に促され、彼と一緒に車に乗った。
そして、ゆっくりと動き出す。