最後のコトバ
それは、ある出来事のせいもあるけど。
今では、思い出したくない忌まわしい過去。
この先、誰にも話す必要はない。
ただ、普通の子より少し綺麗な顔立ちをしているせいで、周りがほっといてくれなかった。
地味に目立たずに学校生活を送りたいのに。
無表情なのも、余計に目立つのかもしれないけど。
本当の意味での友達もいなければ、恋だってしたことはない。
あたしには必要がない。
それ以前に、する資格なんてないのだから。
ただ毎日をなんとなく生きて、死ねる時を探している。
「今日も、死ねなかったな……」
自分の手首にある無数の傷痕を見ながら呟く。
それは、何度もしたためらい傷の痕。
これは、痛いだけ。
飛び降りることだって、怖くて出来ない。
結局、毎日行っては止まって帰って痛いだけ。
ただ、赤い液体が流れて生きているんだと実感するだけ。
それ以上、深くする勇気もない。