最後のコトバ
だけど、なんのために生きているんだろうと考える。
考えてはみるものの、答えなんて出て来ない。
あたしは、誰に生かされているのだろう。
必要とされることなんて、この先ずっとないのに。
それでも、恐怖があるため死ぬことも出来ない。
だから、喜怒哀楽を感じず、流れるように日々過ごし、学校からの帰りにビルの屋上へ寄る。
それから1時間、格闘した挙句、何もせずバイトへ行く。
バイトから帰れば、家で自傷行為の繰り返し。
そんな毎日で、感情がない人形のように過ごしていた。
だけど、明日は同じには出来ない。
だって明日は、妙な男が待っている。
あんなヤツ、関わりたくない。
あんな、見知らぬヤツを助けるようなヤツと関わりたくない。
あたしは、誰とも関わらないんだ。
アイツだって、本当に来るとは思っていないはずだから。
次の日もいつも通りに過ごした。
手首の傷は、見えないように隠してある。
冬服になった今、見えにくくはなっているけど、リストバンドでしっかり隠した。