最後のコトバ



だけど、なんのために生きているんだろうと考える。

考えてはみるものの、答えなんて出て来ない。

あたしは、誰に生かされているのだろう。

必要とされることなんて、この先ずっとないのに。


それでも、恐怖があるため死ぬことも出来ない。

だから、喜怒哀楽を感じず、流れるように日々過ごし、学校からの帰りにビルの屋上へ寄る。

それから1時間、格闘した挙句、何もせずバイトへ行く。

バイトから帰れば、家で自傷行為の繰り返し。

そんな毎日で、感情がない人形のように過ごしていた。


だけど、明日は同じには出来ない。

だって明日は、妙な男が待っている。

あんなヤツ、関わりたくない。

あんな、見知らぬヤツを助けるようなヤツと関わりたくない。


あたしは、誰とも関わらないんだ。

アイツだって、本当に来るとは思っていないはずだから。


次の日もいつも通りに過ごした。

手首の傷は、見えないように隠してある。

冬服になった今、見えにくくはなっているけど、リストバンドでしっかり隠した。




< 8 / 83 >

この作品をシェア

pagetop