犬系彼女 -飴はブドウ味派- 短編
1・遥side
私、城田 遥はよく〝犬〟と言われる。
別に意識してる訳ではない。
私自身普通に過ごしているはずなのに、なぜかそう言われてしまう。
「ねぇねぇ、何で私って犬なの?」
「え、今更それ聞く?」
前々からの私の疑問をぶつけた相手は、親友の長谷川 七海。
私と同じ陸上部で、私をよく〝犬〟と言う人物の一人。
「いーからっ! 何でなの?」
「んー…まず一つ挙げるとしたら、お菓子と言う名の餌に敏感ってとこかな。さっきもほら、あたしが持ってきたクッキーに食いついて来たじゃない?」
「うっ…だって、七海の作るお菓子美味しいんだもん…」
誰だって欲しくなるよ!
なんて言いながら口を尖らせる。
七海はよくお菓子を作ってきて、いつも食べさせて貰ってるの。
料理上手って、女子からしたら羨ましいよね。
おまけに美人だし…
「料理も出来て美人な七海は、モテモテでいいよねぇ…」
この前、告白されてるの目撃したし。
私がため息をつきながら言うと、七海は苦笑した。
「言っとくけど、遥も黙ってれば可愛いわよ」
「なっ…それどういう意味よっ!」