犬系彼女 -飴はブドウ味派- 短編
そして季節はあっという間に過ぎ、もうすぐ2年生に進級。
後輩が出来る! と浮かれていた私は、ある事を忘れていた…
「クラス替えしたくないぃ〜! 七海と離れたくないよぉ!」
「そんなのあたしも同じよ! でも、もう一人いるでしょ? 離れたくない人…」
「うっ…うん…」
私の学校は2年生でクラス替えがあり、そのまま3年生に繰り上がる。
だから、このクラス替えさえ乗り越えれば3年生も大丈夫…なんだけど。
「どうすんの? 告白、しないの?」
「んー…それはさすがに…」
「なんでよ?」
濁そうとする私に、七海は容赦なく問い詰める。
「だって、振られたら嫌だし…それで同じクラスになったら気不味いし…」
「そんな事言って…他の子に取られたらどうするの!? それに、相手はそういうの気にしないかもよ?」
「それも嫌だけど…でも、黒澤君はそういうの気にすると思う…」
何だかんだ、優しいっていうのは夏から知ってる。
好きだって気付いたのはちょっと遅かったけど、友達としては仲良くなれたはず。
まぁ、あの日から名前では呼んでくれないんだけど…