犬系彼女 -飴はブドウ味派- 短編
「じゃあ、選抜リレー出る人は、放課後集まるの忘れずになー!」
先生の話も終わり、皆それぞれ帰る支度を始める。
私は鞄を持って、まだ席に座っている黒澤君の所へ行った。
私が来たのに気付いた黒澤君は、顔を上げ目を合わせる。
「リレー、出てくれるんだね! ありがとう!」
「…どっかの誰かさんが強引だったからな。」
「えっ!? 別に私、そんなつもりじゃ…!」
「冗談だっての。」
慌てて否定する私を見て、黒澤君は鞄を持って立ち上がる。
……あれ? 今…
「…どうした? 集まり、行くんだろ?」
「あっ、うん! 行く行く!」
黒澤君は私が隣に来たのを確認して歩き出した。
…気のせい、かな?
あの時一瞬…黒澤君が笑ったような…。
見間違いだろうかと思い、もう一度黒澤君の顔を見上げる。
改めて見ると、黒澤君のイケメンさに驚く。
サラサラな黒髪にくっきり二重、顔も整っていて鼻も高く横顔がとても綺麗だ。
おまけにスタイルも文句無し。
…こりゃモテるよね。
すると、私の目線に気付いた黒澤君が、怪訝な顔で見てくる。
「ご、ごめん! 何でもないよっ!」
やっぱり気のせいなのかな…
でも、できればもう一回見てみたいなぁ。