beside you..
第Ⅳ章:夏の匂いに
彼女と、別れた。
水沢くんが。
あたしが『別れたら?』って
そう言ったから?
ちがうよね。
すごく良いタイミングで
別れたって言うから
あたしは期待してしまっていた。
ほんの一瞬でも
そんな風に思った自分が
恥ずかしかった。
自意識過剰過ぎる。
彼女と別れたという
話を聞いてから
あたしたちは
会話もほとんどなくて
メールだってしなかった。
悲しくなるほど
距離は開くばかりだった。