beside you..
第Ⅳ章:夏の匂いに
 


彼女と、別れた。
水沢くんが。


あたしが『別れたら?』って
そう言ったから?


ちがうよね。


すごく良いタイミングで
別れたって言うから
あたしは期待してしまっていた。


ほんの一瞬でも
そんな風に思った自分が
恥ずかしかった。


自意識過剰過ぎる。



彼女と別れたという
話を聞いてから


あたしたちは
会話もほとんどなくて


メールだってしなかった。


悲しくなるほど
距離は開くばかりだった。



 
< 17 / 18 >

この作品をシェア

pagetop