beside you..
第Ⅱ章:白いシャツの裾
水沢くんの隣の席になって
2、3週間経った頃
うちの高校の最大イベント
体育祭が行われた。
もうあたしはその頃には
水沢くんに惹かれていて
どうしていいかわからないけど
だけど机は今更
動かすことができなかった。
だってバレバレじゃん、
あたしが水沢くんのことを
好きだってこと。
だけどそんなことしなくても
あたしの水沢くんへのキモチは
大体の人にばれてたらしい。
『九条さぁ、水沢のこと好きだろ?笑』
「なっ…裕也っ…///」
『バレバレだよおまえ(笑)わかりやす過ぎるんだって(笑)』
野球部の大橋裕也。
こいつはクラスで1番目立ってて
みんなと仲が良い。
あたしも裕也とは
よく話す仲だった。
『体育祭マジック、起きるとィィな~?ま、おまえじゃありえねぇか(笑)』
「……っ!裕也のドあほっ…!」
うちの高校の体育祭には
不思議な力があって
体育祭をきっかけに
付き合い出すカップルが
毎年すごく多い。
あたしは信じてないつもりだったけど
どこかでそれを願ってた。
水沢くんの
彼女になれないかな…。