キラリ
「あっ、どーも…」

私は一瞬動揺してしまった。
傷心中に女の子紹介しろって言ってきた裕樹の印象は決して良くはない。


一言交わしただけで、私はそのまま教室に入ってしまった。

"なんか気まずい事しちゃったな"

そう思いながら教室の奥、一番後ろの指定席に座った。

グランドや河川敷がよく見えるテラス側の指定席。

かなりお気に入りだ。



"あっ、健太だ"

隣の教室からテラスを通って健太が現れた。

「紗菜、あのさぁ」

先生に聞こえない様に、コソコソ健太が話しかけたきた。


「さっきの奴いたじゃん?あいつがさぁ、紗菜と友達になりたいってうるさくてさー」


「えーー何それー」
私は笑いながら答えた。


「お願い!とりあえず、メアド教えてもいい??」

"まっ、メアドぐらいならいいか"


「わかった。いいよーメール返さないかもだけど」

健太は苦笑いしながら帰っていった。
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