それでは最後に
「ぇぶっっ!!」



―不覚だった。盛大に吹いてしまった明は慌てて雑誌に必要以上に目を近付ける。


「(え?何?どっからつっこめばええの?)」


体中を震わせながら耐える明と同じ様に、込み上げて来る笑いを必死に耐えている人間がレジの向こうにもう一人。



「(え?何あの人酔ってんの?つーか何これ?ドッキリ?なーにが『もらおうかなっ☆』ビシッよアホかっつーのああ無理もう無理腹筋壊れる)」


一見おとなしそうな眼鏡店員―相川奈津希(あいかわなつき)は、目に涙を浮かべて笑うのをこらえている。


「(さて…)」


「(どう出る?)」



丁度レジの二人を挟むようにして、間接的に明と奈津希の視線が交錯した。
< 11 / 37 >

この作品をシェア

pagetop