それでは最後に
次の瞬間、坂本はレジに向かって駆け出していた。


刹那、嫌な予感、もとい悪寒を感じ取った俊介がこちらに向き直る。

その幸せそうな顔が。赤らんだ頬が。だらしなく緩んだ表情が。



明の決心を一層揺らぎ無いものへと変えた。


「え…うあ、さかもっちゃん?」


いきなりこちらに突進してきた明の行動の意図が掴めずに、目を白黒させる俊介。


それ以上に状況が掴めずに、切れ長の目を必死に丸くする紗祐里。


…そして。



遂に明は口を開いてしまう。



「はい、罰ゲーム終了ー!!」


満面の笑みで。
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