それでは最後に
顛末をたどたどしく説明する明。
登は冷蔵庫から取り出したマヨネーズで焼きそばの表面に3cm程の層を作ってからくちゃくちゃ混ぜ合わせ、圭太はそれを見ないようにしながら煙草にまた火をつけた。中性的な美少年には不似合いなエコーの箱がテーブルに置かれている。ゲームの画面はセンターサークル上でポーズがかかっていた。


「それはさかもっちゃんが空気読まな過ぎ。俺が店員ならおでんの汁頭からぶっかけてるね」


「ええ雰囲気なったんならほっといたらええのにいらんことするからややこしなるねん。俊ちゃんかわいそかわいそ」


親友二人からぼろくそに言われ涙目になる明。


「な、何だよー登だって途中までノリノリだったじゃんかよー」


「本気にしたってのは意外だったけどやっぱり見た目ヤンキーにそういう挑発しちゃ駄目だよね」


我関せずといった表情で登は半ペースト状の焼きそばを喉に流し込み始めた。
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