それでは最後に
数分後、明と館山は一緒に部屋を出た。


「そんじゃ俊介、よろしく~」


去り際に屈託のない笑顔でこちらに手を振る明。
今から起こることを心底楽しみにしているようだった。


二人が出て行くと、俊介と共に部屋に残された安達圭太(あだちけいた)が尋ねる。


「なあ俊介、なにやらされるん?」


「あー?えっとねえ、そこのコンビニ行ってねえ、店員さんに告白してくるの」


「ああ…さかもっちゃんが考えそうなことやな」


圭太はそう言うとベランダへと続く窓を開けた。滑らかに細く透き通るように白い、まるで女のような指で煙草を取り出し火をつける。


「あとさんぷんしたら出撃するよおー」


圭太は横目でチラリと俊介を見た。下戸で不運な敗者は、枕代わりに使っていたぬいぐるみにパンチを入れては、けらけらとただ幸せそうに笑っていた。
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