秘め恋*story6~お風呂で…~




ーーーーーー・・・



「空港なんて久しぶりに来たよ…」




私はひとり空港のホールに佇んでいた。


週末に入るだけあってか、旅行に出掛ける感じの人が沢山だった。




『悪い、仕事抜けれそうにないから、迎え頼んでいいか?』




昼、夫からそんな電話を受けて私は隼斗くんを迎えに空港に来ていたのだ。



請け負ったのはいいけど、こんなに人が多いとは思わなかった。



隼斗くん、分かんないかも…



なんて不安に思いながら、キョロキョロしていると…




「佐和さん?」



「え?」




何処からともなく聞こえてきたよく通る声に反応して振り返った。



…わぁ…



10メートルくらい離れた場所から、振り返って呆然とする私に向かってその人は小走りで近づいてきた。




「はぁ、やっぱり佐和さんだ。
お久しぶりです。」



「・・・」



「佐和さん?」



どことなく夫に似た声で名前を呼ばれて、
ハッと我に返った私。




「久しぶり、隼斗くん。おかえりなさい。
何だか雰囲気変わってて、びっくりしちゃった。」



「ただいまです。一瞬俺忘れられたのかと思って焦りました。」



「ははは。ごめんっ。」




笑ってごまかして、“じゃ、行こっか”と並んで歩きだした。



まさか、あまりにもその…かっこ良くなってて見とれてしまったなんて…言えるわけがない。





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