秘め恋*story6~お風呂で…~
「は、隼斗くん…」
恐る恐る呼んでみると、隼斗くんはハッとしたように私の指先を離した。
「あ、すみません…つい…」
「あ、ううん、ありがと。」
「早めに消毒した方がいいですね。」
「うん。」
2人とも立ち上がった時、
「どうした?」
だいぶ出来上がった夫が騒ぎに気づいて、顔を出した。
「あ、佐和さんが割れたガラスで指先切っちゃったみたいで…」
「大丈夫なのか?」
「傷は浅いし、大丈夫そう。」
「そうか。」
夫に顔を見られなくて良かった。
きっと私、今…顔真っ赤。。
隼斗くんと夫がキッチンから出ていった頃、
私は1人、ドキドキした胸を押さえて座り込んでいた。
血の止まった指先を見つめる。
隼斗くんの柔らかい感触がまだ残ってる感じがする。
バカバカ、とっさの事だ!
何、深く考えてんのよ私は!
指先に絆創膏を貼り、気を取り直して後片付けの続きを始めた。