雨の日、キミに欲情する


ーーー思春期に入ってきた私の胸は少しだけ膨らみかけていた。


だけど、まだブラジャーをするほどじゃない程度の小さな膨らみ。


いつもなら制服のブラウスの下には胸が目立たせないようにTシャツを着ていた。


だけど、今日は蒸し蒸しとした暑さと、日差しがキツくて、かなりの汗をかいてしまった。

汗で濡れたTシャツが、背中に張り付いて気持ち悪い。


着替えようと思ったけど、今日に限って、替えのTシャツを忘れてしまった。


だけど、このまま汗で濡れたTシャツ着ていると、ブラウスにも汗が染みて、Tシャツにブラウスの生地が張り付くはず。


それは更に気持ち悪い感触になってしまうから……嫌だと思った。


ブラウス一枚になると胸が目立ってしまう。

だけど帰るまでの距離、少しの間だけだって思って、私はブラウスだけを着る事にして、Tシャツを脱いだ。

胸が目立つなら、カバンを前にして隠してしまえばいい。


そう思っていたのだけど...


雨が強く降り出した所為で、私はすっかり忘れてしまっていた。

雨除け代わりにカバンを頭の上に乗せて走った。


強い雨に雨除けのカバンは何の役にも立たなくて。

ブラウスが透けてしまっていなんて、全く気付いてないまま、


私は.....


圭ちゃんと出会ってしまった。
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