雨の日、キミに欲情する


柴崎 圭は動揺する私に柔らかく微笑んだあと、野島さんと笹島さんの方に顔を向けた。


「当社のプロジェクトメンバーを紹介します」


と、柴崎 圭が最初に紹介したのは、同じく第一営業企画課の剛田さんだった。


「私が不在などの場合、剛田に一任しますので、よろしくお願いします。」

「剛田 武です。よろしくお願いします。」

体育会系らしく、がっちりした体格で、深々と一礼した剛田さんは、柴崎 圭の代行などの重要な役割を果たす人らしい。



剛田さんの横にいるのは、ふわふわのセミロングで毛先をカールした女性。クリっとした大きな瞳にルージュが綺麗に彩られた艶めかしい唇が動く。

「川田 綾です。KKTホテルでウェディングプランナーとして勤務しておりましたが、今回のプロジェクトメンバーとして参加しました。よろしくお願いします」


艶めかしい紅い唇から正反対の、柔らかい口調で、彼女は微笑んで一礼した。


その仕草に大人の女性を意識させられた。
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