雨の日、キミに欲情する


ゴンチャルのバレンタインデー商品のミニBOXは、友チョコなど、オールマイティに渡す商品。

小さな容器だけどキュートな愛をテーマにして、私がデザインをしたのだけど……。

「あのデザインを見たのが、Parttenza『パルテェンツァ』のデザインをお願いしたいきっかけになりました。」

そう言って、ニッコリと微笑む柴崎 圭の顔を、私は思いっきり目を見開いて、見つめた。


私の視線にも動じず、微笑んだまま、「野々村 花菜と言うデザイナーの可能性に興味を持ったのですよ」と話す、柴崎 圭。


あのデザインが私だって...知っていたの?



ミニBOXは私が初めての独り立ちした言えるデザイン。

そのデザインが私だと知って、クラウドアートに依頼したって言うけど


柴崎 圭は……


いや、圭ちゃんが知っていたって事...なの?



私は暫く呆然としていたが、打ち合わせ会議が始まって、私は我に帰る。

今は、圭ちゃんが知っていた事を考えるより、打ち合わせの方が大事だと、それ以上は考えないようにした。


そして企画の進行状況などの計画、その他の打ち合わせは、順調に決まり、会議は無事に終了した。



次の打ち合わせは、デザイン原案の提出の日だ。


その日まで私と柴崎 圭が会うことはーーーー無い。


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