雨の日、キミに欲情する

変わらない圭ちゃんの笑顔に、あの頃に戻ったような気持ちになった私は満面の笑みで、圭ちゃんに言う。



「圭ちゃん。大きくなったなって...どっかのおじいちゃんみたいな言い方だよ」

私の言葉に、圭ちゃんは、「ぶはっ！」と吹き出して笑った。



「ははは。おじいちゃんって、ひでぇー言い方するなぁ」


私の頭をワシャワシャと撫でて、圭ちゃんが嬉しそうに声を出して笑ったから


みんなの視線が私達に集まった。



「...野々村？」

野島さんは驚いた顔で私を見たが、圭ちゃんの顔を見てから、顔を顰めた。

そして慌てたように私の元に足早に歩み寄る。



「え？　何？...え？　知り...合い？」


笹島さんはかなり驚いた様子で、私と圭ちゃんの顔を交互に見つめる。