雨の日、キミに欲情する
その後、商品が市場に出た。
恋する女の子が私のデザインしたパッケージを手にとっているのを見て、私は嬉しくて、また泣いた。
この感動を得られたのは、野島さんの...このヒトの厳しい指導があったからだと思った。
私はこのヒトに....
もっと、もっと、教わって、
このヒトに早く追いつきたいと思った。
純粋に、このヒトに追いつきたくて...
ーーー私は、野島さんを目指して、追いかけていこうと思った。
羨望の眼差しで見つめる私の視線に気づかない野島さんは、私に柔らかく笑って言った。
「あのデザインはかなり好評だったし、今回の案件のクライアントが求めるイメージから考えて、お前のセンスがピッタリ合うんじゃないかなと思って。」
「え?でも、この案件の企画は私には荷が重いっていうか...」
「お前一人では無理があるから、俺と共同担当だよ」