雨の日、キミに欲情する
私が初めて見た、社会人の柴崎 圭...圭ちゃんはクールだった?
いや、クールな部分より人当たりのいい笑顔で私達に接していたと思う。
今日、私達に見せなかっ柴崎 圭のクールな姿。
それは昔の圭ちゃんが女の子達にクールたど言われていた姿の事なのだろうか?
笹島さんが言うプライベートじゃない、普段の仕事で見せる柴崎 圭のクールな姿がわからない。
実際に見た事もないのだから...私が知るはずもない。
第一、圭ちゃんは私の幼馴染みと言うより、お兄ちゃん友達で、お兄ちゃんの幼馴染みだ。
私と圭ちゃんが幼馴染みだと言える関係なら、長く会ってなくても、それなりに親しいと言ってもいいと思う。
でも...私は圭ちゃんの幼馴染みだと、そう言い切れる?
そうだと言い切れない私は、圭ちゃんとそれなりに親しいって言うのも、少し違うような気がして。
「子供の時『圭ちゃん』って...呼んでましたから...でも......」
口ごもる私に、笹島さんは「ん?」と聞き返して、私を見つめた。
自分の中にくすぶる気持ち。
それ抑えて、笹島さんを見つめ返した私の視線ーーー真っ直ぐな視線を向ける。
「私が中1の時...その時に柴崎さんと会いましたが...それからずっと会ってませんでした」