雨の日、キミに欲情する
「...いや、やっぱり、どこか違う。野島さんのあの態度、私から見たら、不機嫌だと言ってるようにしか見えないもの...」
そう言って千沙は少し考え込む仕草をしてから、今度は訝しげに私をじーっと見る。
「え? え? な、何?」
「花菜...あんたの顔だけ見ているだけでも、野島さんと花菜が何かあったとわかるのよ」
「え? いや、本当に何も...」
「もうっ! ちょっと! ちゃんと話してよ! 正直に全部話してくれなきゃ、気になって仕方ないわよっ!」
千沙に問い詰められようとした、その瞬間...
丁度タイミングよくエレベーターが開いた。
開いたエレベーターから降りてきた人は
ーーーあ。
笹島さんだ。