雨の日、キミに欲情する
慌てて、千沙を制する。
「やっ、ホントに何も無いしっ! 笹島さんにも迷惑だよ」
「いいえ! この件は絶対に笹島さんも関係大有り! そうでしょっ!」
私の言葉に聞き耳もたない千沙の迫力。
...負けた。
急遽、報告会と云う名の「飲み会」が開催。
笹島さんは後から直ぐに行くからと言われた私と千沙は、一足先に会社近くの居酒屋に向かった。
会社近くの居酒屋はチェーン店だけど、座席が個室のように仕切られているから、独立した空間のようで落ち着いて座ることができる。
「此処なら、話を他の人に聞かれる事はないでしょ?」
千沙が、いたずらっ子のような笑みで笑った。
店員に案内され、座席に座ってすぐに千沙は「生ビール!!」と私の分も店員にオーダーする。
生ビールの中ジョッキが運ばれると、千沙は駆けつけ一杯の如く、軽く飲み干した。
そして今、千沙は2杯目のビールを堪能中。
「はぁ~、美味い!」
酒豪である千沙の飲みっぷり。
毎度の事だが、千沙の一杯目はほとんど一気飲み状態で、2杯目になってから会話が始まる。