雨の日、キミに欲情する


笹島さんと千沙はビールをガンガン飲みながら、私のことはそっちのけ状態で、話し出して...


「つまりだねー、野島さんは野々村さんが大事なんだよねー。その大事な野々村さんは、柴崎さんとは初対面だと思ったら、スッゴイ親しかったワケだ。俺もビックリしたけど、野島さんはそれ以上だったと思うし、気に食わないって思ったんじゃねーの?」


今日の出来事を一通り、笹島さんが説明した。

まぁ、おおよそはその通りで、間違ってはいない。

でも、私と圭ちゃんが親しいってのは、そんなに強調して話さなくてもいいです、笹島さん。




「なるほどね...。野島さんも、何を考えているのか...」


千沙は眉間に皺を寄せ、自分の手元近くにあったチーズボールを食べ始めた。

私も出し巻き卵を一切れ、食べようと箸でつまむ。
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