雨の日、キミに欲情する
「...見たんですよ。経理の佐々木さんが、野島さんに告白してるところを......」
見たって、千沙...ソレは
「覗き見?」
笹島さん、直球過ぎます。
「そうとも言いますが、わざとじゃないです。偶然に通りかかったんです」
偶然を主張しつつ覗き見を認める千沙さん、潔いけど...覗き見は覗き見ですよ。
「野島さん、彼女いるからって断ってました。それを言われた佐々木さん、可哀想で見てられなかったですよ」
いや、貴女は見てられないと言いつつ、しっかり見ていて。此処でアッケラカンと可哀想過ぎるって言って...佐々木さん、知ったら泣くよ。
あー、聞いた私も同罪だし。
佐々木さん、ごめんなさい。
心の中で、佐々木さんに謝っていたら、笹島さんが驚嘆した声を出した。
「へ? 佐々木さんって、野島さんを狙ってたんだ。へぇ、そうなんだ。前は柴崎さんに告ってたのにねぇ...」
は?
柴崎さん?
圭ちゃん?