雨の日、キミに欲情する
「あーーっ、ごめんっ!」
笹島さんはいきなり私に謝った。
「柴崎さん本人から聞いた訳じゃないから、本当かどうかわからないけど...でも、野々村さんにしたら、幼馴染のこんな話...聞きたくなかったよね」
「花菜、ゴメン。私が...聞きたがったから...」
二人が申し訳ないと言って、私を心配そうに見つめた。
「え? やだなぁ、大丈夫だよ。幼馴染みって言っても、お兄ちゃんの友達で...子供の時しか知らなくて...。えっと、いや、大人になった圭ちゃんの話に、ちょっとビックリしただけで」
慌て取り繕いながら、無理矢理に笑って見せた。
「野々村さん、話をココで止めたら、気になったままになってしまう? でも、野々村さんはこれ以上は聞きたくないって思っているんじゃないのかな? だったらこの話はもうやめておこうか。ね?」
笹島さんが真剣な顔でわたしを見つめて言う。