雨の日、キミに欲情する



そうこうしているうちに、一年が経った。

KKTホテルから『また今年もブライダルフェアのギフトボックスのデザインして欲しい』と、依頼がきたのだが、担当者は柴崎 圭ではなかった。

柴崎 圭はブライダルフェアのギフトボックスの仕事を最後に、本社へ異動していた為に、担当者が変わったのだ。


だが小野田さんは、柴崎 圭が必要不可欠であると、去年と同様に制作に関わって欲しいと言い出した。





企業がパッケージを制作する際、デザイン会社にデザインを依頼して、デザイン画を受け取る。

そして企業が々独自で取引している制作会社に、完成されたデザイン画を持ち込んで、制作を依頼するケースが多い。

だが一部の企業は制作会社との取引が無い場合もあり、そのような時はウチの会社が懇意にしている制作会社に代行依頼する。

全国展開しているKKTコーポレーションの場合は前者。

デザインを受け取り、取引先の制作会社に制作を依頼すると思われたのだけど、このライダルフェアのギフトボックスの案件は違った。
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