雨の日、キミに欲情する


「ん、...確かにヒドいかもしれないけど、そうせざる負えないつーか、男って、そーゆーとこあるじゃん! あっ! 千沙ちゃん、俺は浮気しませんよお!」

「男はそうだって言ってて、自分は違うってのは、信用出来ませんけど」

千沙にギロリと睨まれて

「そんなぁっ、信用してよぉ」

と、笹島さんは情けない声を出していた。


そんな二人のやりとりを見て、浮かんだ疑問。


「あのぉ、さっきから気になってたんですけど、笹島さんと千沙は...」


「あ、俺、千沙ちゃんに惚れてるの」

簡単に好きと言う笹島さんは千沙をニコニコ見て笑うけど、千沙はパッと顔を背けた。

「だから、毎回、軽くそう言いますけど、信用出来ません!」

ほんのりピンク色に染まった顔の千沙を見つめながら、笹島さんは「えー? ヒドいねー。信用してよぉ」とチャラけて言う。


「そーゆーことだったんですか...」

「え? やだぁ! 花菜、納得しないでよ! 笹島さんと私は職場の同僚、先輩と後輩で、なんでもないからっ!」

焦ってる千沙に「いいもーん」と、笹島さんはイジける真似をした。
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