雨の日、キミに欲情する


お似合いだわ。うん。

ーーー二人を微笑んで見ていたら、千沙は私の視線に気づく。

「ねぇ、ねぇ、私、ちゃんと花菜から聞いて無いよ。柴崎さんと花菜の事」

あ。やっぱり詳しく言わなくてはいけませんか?

私は、少しだけ苦笑いして


「お兄ちゃんの友達で、お兄ちゃんの幼馴染みってのは、さっき言った通りだけど...」


圭ちゃんと会わなくなった時の状況を、あの雨の日の事を話した。

だけど、ブラウスがどのように透けてたか、詳しく話さない。だって笹島さんが、いるから。

一通り話し終えると、千沙は感嘆の声をあげた。

「なるほど~。いきなり抱き締められて、まるで王子様みたいな行動をされたら、そりゃあ、憧れるわよね。でもその後、花菜は恥ずかしくて、そのまま会わなくなった...つまり初恋の人ってわけね。」

「そ、そう、そうなる....かな?」


改めてはっきり言われると、恥ずかしくて私は顔を赤く染めて俯いた。
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