雨の日、キミに欲情する
野島さんに彼女がいたという事実。


圭ちゃんの話が衝撃的過ぎて...その事、忘れかけてたけど、完全に忘れる事が出来なかった。

だって、それは、心に刺さった棘みたいで。

刺さったままの棘は気にしないようにしても、チクチクとする痛みだけが、ずっと残っている。

取り去ろうとしても、小さな棘は見えにくくて、うまく取れない。

取り切れないならば、痛みを気にしないように、もしくは我慢しようと思うのだけど、チクチクする棘の痛みはやっぱり気になって。


それは野島さんに彼女がいるって考える時の私の気持ちと、似ていると思った。


そう、それは心に棘が刺さったままで。


私は野島さんに対して、恋愛感情を抱くというより、先輩デザイナーとしての憧れだったハズ。

それなのに、心の棘が刺さって痛いと思う、今のこの気持ちは....



野島さんの事、好き?

ううん、違う。


私の中では、まだはっきりとした気持ちになってない。



どちらかというと、圭ちゃんを男の人って気づいた気持ちに近いかもしれないーーーーって、思った。
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