雨の日、キミに欲情する
ダルい。

身体が重たい。足が鉛のようだわ。


一睡もしなかったから、身体は倦怠感が最高潮のまま。

それでも社会人、休むことは許されない。重い身体を引きずるように、会社に向かった。

寝てないから、いつもより早くに会社に着く。

ウチの会社は高層のオフィスビルの中にある。オフィスビルには多種多様の会社が入っていて、ウチの会社はそのビルの7階のワンフロアを借りている。

KKTコーポレーションみたいに、自社ビルがあるワケじゃないのよね。

エレベーター降りると、いきなり会社の窓口となる受け付けカウンターと、目の前に現れる。


カウンターの上には呼び鈴が置かれていて、受付嬢がいない時は来客者が、自らこの呼び鈴を押すようになっているのだ。



そもそもうちの会社には受付嬢はいなかった。

来客者は呼び鈴を押して、その呼び鈴の音を聞いた社員の誰かが対応をするというシステムだった。


だけど年々増える来客者の対応に追われるようになった社員のうちの誰が『受け付け嬢を雇う方がいいんじゃないか?』と言い出して。

社長も『じゃあ、可愛い子を雇っちゃおうか?』って、軽いノリで返事した為、今年から受付嬢として宮下さんが採用された。
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