雨の日、キミに欲情する
きっと、私、頭がおかしくなってきたんだ。

そうに違いない...。


そう思ったのにーーーー。


「ダサイ黒縁メガネで、おかっぱ頭で、顔が隠れるようにしているよな?」


「...」


「何か隠したい理由あるの?」




ってね野島さんが聞くから、私は答える為に首を横に振ろうとした。

だけど野島さんが手を掴んでいるから、上手く振れないっ!


へ、返事。そう、返事しなくっちゃ...ええっと。


「...な、無いです。り、理由、無いです」


必死に答える私に「ふーん」と言った野島さん。

私の手首を掴んでた手を離し、屈んでいた身体を起こした。

近づいてた野島さんの顔、私から遠ざかっていく。


このまま見つめられたら、死んでしまうかもって思っていたからーーーほっとした。
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