【完】あいつが私に恋してる!?
「あ~暇すぎる」
天気も良くて今日は
人気ですぐに売れ切れちゃうパンも
運良く買えたのに。
「愛莉、さっきからそればっかり!
もう!せっかくのパンがマズくなる」
隣で歩美が例のパンを味わいながら
食べている。
そして私の足を蹴ってきた。
「痛っ。だって暇なんだもん
ね、歩美ー?」
私も一口パンをかじる。
さっくりふんわりな桃味の
メロンパンは口の中を優しい甘さに
塗り替えてくれた。
「なんだい」
「あのさ、好きじゃない人と
結婚するって普通のことなの?」
「は?なにそれ?うーん、そんなこと
するのってお金持ちの子供の許婚
くらいしか普通ないでしょ。」
「だよね!!?普通じゃないよね!?」
「もしかして愛莉、許婚いるの?」
「いないわよ!!!」
うん!やっぱり絶対おかしい!!
なんとかしたい!!!
でも、一番おかしいのは
どうでもいいとばかり思ってた
アイツの事をずーと考えてる私だ