好きだよ

もー。ダメダメ。

そう思い首をブンブンと振り、電車に乗り込んだ。

電車は通勤ラッシュの為毎回満員だ。

社会人なりたての頃は慣れなくて本当に毎日苦戦だらけだった。

それでいて洸樹も同じ会社だったこともあり「俺が守るよ」なんて臭いセリフをさらりといってたっけ…

それで洸樹はいつも私を気にして「龍也の事は忘れた方がいいよ」といったっけ。

は!!

ダメダメ。また過去を思い出してる。

すると電車は会社の最寄駅につき、急いで降りた。

「はぁ…」

そう溜息を吐き、会社に向かった。

「よ!バカ美穂」

そういい後ろから私の頭を叩く洸樹。

あ。さっき話に出てきた洸樹ね。

名前は五十嵐 洸樹(いがらしこうき)

ルックスは最高だけど、ただナルシストなんだよね。

それを抜いたらモテる残念なイケメン。

「バカは余計だよ。バーカ」

そうあっかんべーを洸樹にしてみせた。

「ふっ。なんだよ元気そうじゃん…よかった」

とぼそりといった、

「ん?何か言った?」

そう洸樹に聞くと「嫌?何でもねーよ。バカ美穂は頑張って仕事しろよ?バカなんだから」そう洸樹は言うと切なそうな顔をして会社に入っていった。

バカバカ煩いな。

そう少しムッとして思った。

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