サンセット
プロローグ~冬~
三月の冬。

雪が降る、少し寒い日。

こんな寒い日に

スカートをはいて

学校に行くのも今日で終わり。


今日は高校最後の登校日。

卒業式だ。

みんなと学校で会うのは

今日が最後。

少し寂しくはあったが

最後の学校ということもあり

思いっきり楽しんだ。



その日の夜。

仲いい友達数人と

卒業式の打ち上げ。

もちろん女子が集まって話すといえば

恋バナだ。

正直、私はこの手の話は苦手だ。

18年間、恋などしたこともない。

そのあと、恋バナがヒートアップ

していくのを私は笑いながら

ただ聞いていた。





ーーーー帰り道。

「早くあんたも恋愛できるといいわね。」

親友のユンちゃんは私に言う。

ユンちゃんは私のことを

よく心配してくれる。


「あんた春から都会に引っ越して
大学行くんでしょ?男できずに一人でそのまま孤独死しそうで怖いわ(笑)私はここに残るからなかなか会えないけど応援してるわ」


恋なんて私にできるのか。


ーーーー引越し前日。

三月下旬にも関わらず相変わらず寒い。

当分は家に帰れないと思い

家の周りをフラフラ散歩をすることにした。


寒いのに夕日が眩しい。

あたりは田んぼだけ。

都会でやっていけるのか

不安で仕方ない。



沈みたそうな夕日。

迷子の雲。

冷える空気。


三月の春。

私は旅に出る






< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop