ずっと隣で・・・
美鈴の決断に福山課長が出した答えは
「ありがとう・・・・うれしいよ」
だった。
私は慌てて美鈴の顔を見ると美鈴の目から大粒の涙が零れ落ちていた。
「美鈴！」
声をかけてハンカチをバッグから取り出そうとすると
福山課長は自分の指で美鈴の涙を拭っていた。
福山課長はとても愛おしそうな目で美鈴を見つめていた。

これ以上いたらお邪魔虫になると思い私は
課長に「かえります」と小声で言った。
課長は「ありがとな・・・」というとすぐに目線を美鈴に向けた。
席を立つとそれに気がついた美鈴が私を見た。
「千鶴！」
「よかったね」
ピースサインを送ると目に涙を貯めた美鈴が頷いた。
「課長、美鈴の事よろしくお願いします」
私は頭を下げ一足先に店を出た。
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