ずっと隣で・・・
本棚に目を移すと
何冊かあるアルバムに気がつく
そこには1~4までの番号がついていた。
私はその中から1のついたアルバムを取り出し
アルバムを開いた
その中には弦と私の写真がたくさんあった。
もちろん私の友達や弦の友達も一緒に映ったものも
あるけれどそのほとんどは2人で撮った写真だった。
私は2、3、4と順番に見たのだけれど
そのどれもが私との写真だった。
最後に撮った写真は・・・
別れる2か月前に友達6人で行ったキャンプでの写真だった。
そこに映っている私と弦はとても幸せそうだった。
テントの中ではしゃいでいたり、バーベキューを楽しんでいる
写真だった。
この写真を見る限り私たちが別れるなんて思えないほど
仲の良さが写真からでもわかった。

実は私も同じ写真をいくつか持っていた。
でもそれはもう私の手元には残されていない。
嫌いで別れた訳じゃなかったから
写真を持っているだけで
心が壊れてしまいそうだった。

前を向いて歩いていきたいという思いから
思い出の全てを私は処分した。

だからこの写真を見て
弦はどんな気持ちでこれを持っていたのか
もし私と再会しなかったらどうするつもりだったのだろう・・

会いたい・・・
すごく弦に会いたい。
弦が帰ってきたら彼に聞きたい・・・私は彼の部屋の掃除をし
彼の帰りを待った。
< 120 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop