ずっと隣で・・・
旦那さんの福山課長が祭壇の前でスタンばった。
会社で見る課長とは別人で緊張しているのが背中からでも感じられ
見ている私まで緊張してきた。
そしてオルガンの演奏が音楽が始まると後ろの扉が開き
新婦である美鈴が美鈴のお父さんとゆっくりとバージンロードを歩きだした。
純白のウエディングドレス姿の美鈴は今までのどの美鈴よりも
美しく輝いていた。
ベールに包まれていたがきっともううるうるしているんだろうなと
思うと胸が熱くなる。ダメ・・・
もう泣きそうかも・・・
気がつくと涙をこらえようと弦のスーツの裾を掴んでいた。
弦はそんな私に気付くと掴んだ手をゆっくり外し自分の手を絡ませた。

そして式は
とても厳かで順調に執り行われた。
私はその間自分の涙腺と必死に戦ってた。
花嫁より泣いててどうするよ。
時々弦から
「どうしたらそうなに涙が出るのか教えてほしい」
と嫌みを言われるほど。
自分の時は化粧がはげるくらい泣いちゃいそう。

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