ずっと隣で・・・
美鈴たちは体調の事を考え披露宴はやらないことにしていた。
親戚だけで集まっての食事会も美鈴の体調が
安定してからと言う事になり
今日はこれで解散だ。
だけど帰り際美鈴に4人で会いたいと言われたので
私たちは美鈴たちの準備が終わるまで教会の中で待つことにした。

運がよかったようで次に挙式を挙げる人がいないので今大聖堂の中は私たち
2人だけだった。

「ブーケよかったな」
「うん・・・最初は怖くてやめたくなったけど」
「美鈴さんの投げっぷり最高だったもんな。完全に千鶴狙いだった」
「やっぱり?」
「うん・・・次は俺たちにって願いがこもってたな・・」
「そうだね・・・・」
私はじっとブーケを見つめていた。
何だか恥ずかしくって弦の顔が見れなかったから
すると弦が私の名前を呼んだ。
ぱっと顔を挙げると
そこには弦の真剣な顔があった。
「手…出して・・・」
言われるがまま右手を出すと
そっちじゃないって言われ左手を出した。
するとポケットから小さな箱を取り出し蓋を開けた。
そこには指輪が・・・
弦は指輪を取り出すと
「遅くなったけど・・・・」
そう言って私の薬指に指輪をはめた。
「弦!」
「愛してるよ。もう二度と離さないから」
「神様の前なんだから・・・嘘・・・つけないわよ・・・本当にいいの?」
弦は頷いた。
「お前がいいの」
おでことおでこがぶつかる。
そして互いに目を閉じると唇がゆっくりと重なった。
お互いの気持ちを確かめる様なキスはまるで
神様の前で誓うキスの様だった・・・

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