ずっと隣で・・・
「お義父さん!頭を上げてください」
弦が慌てて父に声をかける。
「水野君・・・」
今度は母だ
「はい」
「本当に千鶴なんかでいいの?」
「え?」
この期に及んでお母さんそれはないんじゃ・・・・
「千鶴にはもったいないくらいのいい男だからね。
他にもっといい人見つけれるんじゃない?」
だが弦は首を横に振った。
「僕には千鶴さんしかいません。」
母がフッと笑って私を見た。
「よかったね・・・千鶴・・・私も弦くんが家族になってくれてうれしいわ」
「お母さん」
「水野君、娘の事よろしくお願いします」

目頭が熱くなった。
だがそれを吹き飛ばすように
菫が乱入し、感動を味わう前に宴会へと変わってしまった。

これも菫なりの気遣いだと思うと・・・ありがたい。
父は上機嫌で弦君弦君と言っては弦と酒を飲みまくって
弦は父に取られ、酔っ払った菫にはねえちゃんだけずるいと言われ
菫の旦那の悪口を聞かされ、母は母で私たちの事をいろいろ
聞いてきてはニヤニヤし・・・
その日は久しぶりに夜遅くまで我が家に灯りがともっていた。
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