ずっと隣で・・・
弦はどうしたらいいかわからない顔で私を見つめる。
私?私は・・・・見てるしかないでしょ~
「あ・・あの・・江里子さん」
弦は江里子さんの肩を押して私の方を指さした。
私を見た江里子さんは慌てて弦から離れたがまだ状況がつかめない様だった。
「突然すみません。彼女、葉山千鶴。俺の・・婚約者なんです。」
江里子さんは目を見開き
「え?!え?もしかして彼女が例の・・・千鶴さん?」
例のって言葉で江里子さんは私と弦の事をよーく知っているのだとわかった。
「はい・・」
「はじめまして、葉山千鶴です。」
「こちらこそ、はじめまして倉持江里子です。・・・って外で話すのも
なんだから…中へどうぞ?」
家に案内され玄関に足を踏み入れると
木のいい香りと見たことのあるおもちゃが飾られていた。
何となくだが自分たちの新居の玄関に似ている様だった。
多分、ここの内装や細々したもの全て須田さんが作ったんだと思った。
そして飾られている小物も全て須田さんの作品。
江里子さんは須田さんの事まだ愛しているんだと玄関を見ただけで確信した。
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