ずっと隣で・・・
須田さんは何やら棚の様なものを作っている。
おもちゃしか作らないと思っていた私は思わず。
「おもちゃ以外も作れるんだ・・・」って多分失礼なことを言ったんだと
思う。
だが、須田さんはにこにこしながら
「すごいでしょ~~。なんか急に作りたくなって・・・」
「素敵です」
シンプルな作りの棚なんだけど所々に遊び心がある。
多分食器棚になるだろう・・・
棚にかわいいタイルを須田さんは真剣な表情で貼っていた。
「あれ?でも今日って休むって弦が言ってた様な・・・用事はいいの?」
「・・・はい・・・用事はもうすぐ済みます」
もうすぐ済みます=まだ用事は終わっていないってことだと
わかった須田さんは首をかしげた。
「なんか日本語おかしくない?」
私は笑顔でおかしくないんですよ。と答え、深呼吸をした。
「須田さんに会ってもらいたい人がいて、今日その方をお連れしました」
「俺に会わせたい人?」
「そうです」
「ヤローは嫌だよ。」
「とても素敵な人ですよ」
須田さんの顔がパッと明るくなった。

そして私は弦の名前を呼んだ。
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