ずっと隣で・・・

人間素直が一番   side須田佑介

「座ったら?」
ぶっきら棒な言い方は俺の素の部分だ。
元々、人と接するよりも木と接する方を選ぶような人間だった。
損得など考えず自分の好きなことに没頭してきた。
だから学生時代から人と接するのが苦手で・・・
そんな俺を『今』の俺に変えたのは誰でもない江里子だった。
そして友達と言える唯一の人間も江里子だったし
友達から恋人になったのも自然の流れだった。

趣味で作っていた木のおもちゃを仕事にしようと言いだしたのも
実は江里子だった。

彼女がいたから今の自分がある。
彼女がいなくなったら・・・
そんな事想像も出来なかった。

俺が海外を旅することが出来たのも
帰りを待ってくれる江里子がいたおかげだった。

だからショックだった。
江里子が空港からの帰りに交通事故あったことも
妊娠していたことも・・・

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