ずっと隣で・・・

テーブルの上には婚姻届が無造作に置かれていた。
目の前に置かれた婚姻届・・・
想像していたものよりもぺらっぺらだった。
こんな紙切れ１枚で結婚できちゃうんだよね・・・
ある意味不思議な気分だ。

「あ～～！疲れたな。」
弦は背伸びをすると空になったビールの缶を潰しながら空き缶入れと書かれた
ごみ箱にポイポイとリズムよく入れる。
私は紙皿や割り箸を燃えるゴミと書かれたごみ箱にポイポイ捨てていた。
でもなぜかお互い無言だった。

それはきっとあの婚姻届のせいだと思う。

後片付けが済むと
どちらからともなくソファーに座る。
リモコンのチャンネルボタンを何度も押すが
どれも面白くなさそうなものばかり・・・
仕方がないからニュースにしてみたものの
正直頭には何にもはいってこない。

弦はどう思っているんだろう。



沈黙を破ったのは

弦だった。